B級ホラームービーのホスト「Svengoolie」から学ぶ、3つのベストプラクティス

あなたが私のように、昔のホラー映画やSF映画のファンならば、間違いなく「Svengoolie」を知っているはずです。

しかし中には「Svengoolieって何?」と疑問に思う人もいるかもしれません。第一に、Svengoolieは人であり、物ではありません。彼はRich Koz氏が演じるキャラクターです。Koz氏は、土曜日の夜にMeTVで、キャラクター名と同じ「Svengoolie」と名乗り、2時間番組のホストを務めています。「Svengoolie」は毎週、昔のホラー映画やSF映画を上映しつつ、合間で映画を中断して映画に関する情報を共有しています。

私と「Svengoolie」との出会いは、土曜日のある夜でした。ザッピングしているときに、たまたま私が好きな1950年代の映画、「放射能X」が放送されていたのです。この映画は、ネバダの砂漠で実施した核実験の影響を調査していた科学者たちが、突然変異によって巨大化した蟻の巣を発見し、彼らの破壊攻撃に奮闘するモノクロのSF映画です。映画の途中で度々中断が入り、目の周りを太いアイラインで囲んだ濃いメイクを施し(古いホラー映画に出てくるゾンビの象徴です)、巻き毛の黒い長髪にシルクハットをかぶり(ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュを思い浮かべてください)、黒い顎ひげをたくわえ、タキシードジャケットと赤いサテンのシャツを着た男性が登場します。最初に彼を見たとき、「この人は誰だろう?」と疑問に思いました。情報を知るために、リモコンの情報ボタンを押したところ、私が見ていたのは「放射能X」ではなく、「Svengoolie」だと気付いたのです。それから、私はこの番組の大ファンになりました。

「Svengoolie」のエピソードをいくつか視聴すると、この番組にはフォーマットがあることに気付きます。オープニング映像で古びたダンジョンが映し出され、昔のホラー映画に出てくるアイテムや幽霊、骸骨が出てきます。最後に棺のある部屋に到着し、その棺が開いて番組のホストであるSvengoolieが登場。彼は、番組で取り上げる映画のあらすじや俳優を紹介しつつ、悪趣味なジョークをひたすら披露し続けます。ジョークに飽きた観客がSvengoolieに向かってラバーチキンを投げ付けると、オープニングは終了。彼は棺にすごすごと引き下がり、映画が始まります。

 

 

私は、「Svengoolie」を視聴するにつれ、彼がブランドにも応用できるコンテンツマーケティングのベストプラクティスを採用していることに気付きました。この記事では、その詳細とそれを行動に移す方法について紹介します。

オーディエンスと彼らの共感を呼ぶコンテンツについて理解する

悪趣味なジョーク、おかしなメイク、ラバーチキン、張りぼてのセットといったすべての要素に目を向けると、この番組は映画を茶化して笑いを取っていると思うでしょう。

実際にはその真逆です。彼のセットや衣装は、昔の映画は特殊効果が使われている現代の超大作映画とはまったく違うものです。つまり、現代視点のレンズを通して観てはいけないと視聴者を戒めるためのものなのです。一方でSvengoolieは、昔の映画を芸術作品として扱っています。彼は、映画・俳優陣・監督・脚本家・制作チームに関する豊富な知識を提供し、映画の舞台裏を視聴者に明かします。これは現在、TCM(Turner Classic Movies)などの他のチャンネルでも採用している方式です。

「Svengoolie」が忠実なファンを集めることができた理由は、SF映画やホラー映画に対する愛情や尊敬の念を表明することで、志を同じくするオーディエンスを魅了してきたからです。

 

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Svengoolieのファン(Svengoolie.comのフォトギャラリーから引用)

 

番組が始まった1970年代には(当初はJerry G. Bishop氏がSvengoolie役を演じ、1979年にKoz氏に引き継がれました)シカゴの地域放送局でしか放送されていませんでしたが、現在ではケーブル放送・衛星放送・従来型のテレビ放送によって50以上の都市で放送されています。80年代から90年代にかけて、「Svengoolie」は打ち切られ、2度リニューアルされました。その度に忠実なファンたちが番組を復活させてほしいと働きかけたのです。

現代の企業は、ブランド認知度を高めるためにソーシャルメディア広告や運用型広告に大きく依存していますが、「Svengoolie」は「昔のホラー映画やSF映画に対する愛情を、同じ情熱を持つ人々と共有する」というシンプルな方式を採用し続けています。そして、その努力は実を結んでいます。2017年3月にMeTVの番組で最も高い評価を受けたのは、「Svengoolie」のエピソードだったのです。

コンテンツマーケティング担当者が学ぶべき重要ポイント: 常にオーディエンスのことを中心に考えましょう。特定のグループをターゲティングするニッチブランドであろうと、大衆に訴求する企業であろうと、最終的にリーチしたい人々のことを忘れないでください。個人的かつ意義深い方法でオーディエンスの共感を呼ぶような言語で話し、コンテンツを作成しましょう。

 

トレードマークを作る

Svengoolieのユニークな見た目が番組のトレードマークになっていると考える人は多いはず。しかし、まさかと思うでしょうが、「Svengoolie」のファンが番組を思い浮かべるとき、彼らの脳裏に浮かぶのはラバーチキンなのです。

なぜラバーチキンなのでしょうか?

ボードビル(17世紀末にパリの大市に出現した演劇形式)が行われていた時代に、舞台が失敗に終わった際、オーディエンスは腐った野菜を投げつけてパフォーマンスに対する不快感を表明していました。ボードビルの伝統は、「悪趣味なジョークを連発するSvengoolieの独演劇に投げつけられるラバーチキン」という形で生き続けています。

Svengoolieの大規模なファンコミュニティは、すぐにラバーチキンの虜になりました。それらはセットの中やSvengoolieグッズのいたるところに登場します。また、Kerwynという名前のラバーチキンが番組中にジョークを披露することもあります。番組が始まった当初は、サイン入りのラバーチキンを応募者全員にプレゼントしていました。しかし、需要が高まりすぎたため、ファンはサイン入りのラバーチキンを手に入れるために毎月抽選に応募しなければならなくなってしまったのです。

 

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コンテンツマーケティング担当者が学ぶべき重要ポイント: フォロワーの心を掴んで離さないのは、あなたのブランドのどういった側面でしょうか? また、どうすればその側面をコンテンツに取り込むことができるでしょうか?熱狂的なファンを団結させるトレードマークを作ると(それを登録商標にするか否かにかかわらず)、ブランドを構築する上で大いに役立ちます。

 

ファンとの継続的な1対1の関係を維持する

ファンがSvengoolieに忠実なだけではありません。Svengoolie自身もファンに忠実なのです。番組とKoz氏(Svengoolie)は、さまざまな方法でSvengoolieのフォロワーに見返りを与え、喜ばせてきました。

ここでラバーチキンの話に戻りましょう。ラバーチキンのKerwynが披露するジョークは? ファンからの投稿です。番組のオープニングでSvengoolieに投げつけられるラバーチキンは? 番組観覧に当選したラッキーなファンたちが投げています。さらにSvengoolieは、世界中のファンが応募したSvengoolieグッズを身に付けている自撮り写真を番組中に紹介しています。

 

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また、Koz氏はSvengoolieのFacebookページやTwitterページを管理しており、番組に関する最新情報をファンに提供し、ファンと交流し、ファンの質問に答え、Kerwynが披露するジョークを投稿したファンにお礼を伝えるためにソーシャルメディアプラットフォームを活用しています。

私は最近、「Svengoolie」にこんな質問をしました(TwitterとFacebookで彼にメッセージを送ると、彼から返事がもらえます)。「あなたがテレビのエンターテインメントの世界に足を踏み入れてもうすぐ50年が経ちますが、自分が成功した秘訣は何だと思いますか?」

彼はこう答えました。「成功の秘訣はファンのみなさまです。昔からのオーディエンスが残ってくれて、新しいオーディエンスが参加してくれたからです」。

そのことを証明する統計があります。Nielsen NTIの評価によると、2016年9月に「Svengoolie」の視聴者は100万人以上に上ったそうです

そして私は自分がその視聴者の一人であることに誇りに思っています。

コンテンツマーケティング担当者が学ぶべき重要ポイント: ソーシャルメディアは、ファンと1対1でインタラクションを行うのに最適な場所です。上手く使えばファンとの関係を強化することができ、あなたのコンテンツを共有して、あなたの会社を友人に勧めてくれる強力なブランド支持者へとファンを変えることができるでしょう。さて、あなたなら、こうした継続的なエンゲージメントをどのように築きますか?

 

Joseph TarziaはNewsCredの財務担当VPです。

 

元記事「3 Tips Content Marketers Can Learn from B-Horror Movie Host Svengoolie」は2018年6月11日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのJoseph Tarziaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

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