コンテンツマーケターが統合型キャンペーンを採用すべき5つの理由(パート1/3)

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これは、コンテンツマーケティングの統合型キャンペーンに関する3部編成のシリーズの第1部です。パート1では、コンテンツマーケティングへの統合型アプローチ(とそのアプローチが重要な理由)に適したビジネスケースを構築します。フォローアップ編(パート2)では、コンテンツマーケター向けにキャンペーンのベストプラクティスに関するNewsCredの視点を提供します。パート3では「開始方法」のガイドを提供し、承認の取得や新しいチームとのコラボレーション、適切なプロセスの確立方法など、よくある質問にお答えします。


弊社では2019年を統合型マーケティングの年と呼んでいましたが、これはコンテンツマーケターにとって何を意味するのでしょうか。

最高のコンテンツマーケターであれば、どのようなコンテンツを作成するかだけでなく、”どのように”作成するかが重要だと認識しています。それでは、理想的なコンテンツ計画モデルとは具体的にどのようなものでしょうか? また、費用対効果が高く、影響力があり、サステナブルなプロセスをどう作成すればよいのでしょうか?

その答えは、コンテンツを通じて統一されたエクスペリエンスを提供することにあり、それは統合型キャンペーンから始まります。

統合型キャンペーンとは、一連の調整されたオムニチャネルによるマーケティング活動であり、内部のサイロを解消し、コンテンツを通じて統一されたブランドエクスペリエンスを作成することで、マーケティングのパフォーマンスを向上させるように設計されています。

私たちはこの業界で長い道のりを歩んできました。広告を回避する顧客とエンゲージメントをするためのコンテンツを作成しました。適切な場所でオーディエンスに確実にリーチできるよう、さまざまな形式のマルチチャネルコンテンツをリリースしました。こうした経験を経て、今こそ、これらすべての要素を一つにまとめる新しいフレームワークを進化させ、導入するときだと理解しています。

早速、コンテンツプランニングに統合型キャンペーンのアプローチを採用すべき5つの理由をご紹介します。

1. コンテンツがカスタマージャーニーをつなぐ

強力で統一されたカスタマーエクスペリエンスを提供するブランドの重要性に、異議を唱えることなどできません。Interactive Advertising Bureau(IAB)の調査によると、さまざまなチャネルで一貫性のあるメッセージを目にする消費者は、購入意向を90%向上させ、ブランド認知度を68%向上させることが明らかになっています。

コンテンツはすべてのチャネルと部門に影響を与えるため、コンテンツマーケターは、競争の激しい今日のメディアランドスケープでブランドの関連性を維持することに関して主導権を握らなければなりません。そのため、個々のコンテンツは、カスタマージャーニーの目的を果たし、複数のチャネルにまたがるキャンペーンとシームレスに結び付ける必要があります。

統合型キャンペーンをコンテンツプランニングモデルの採用は、つなぎ合ったカスタマーエクスペリエンスの構築をより強固なものにします。現代の消費者のジャーニーは、直線的ではありません。オーディエンスは、希望の行動をとる前に、一貫性のない時間に複数のチャネルにわたり複数のアセットを閲覧してエンゲージします。コンテンツに統合型アプローチを採用することにより、360度のストーリーテリングを形成し、ブログ投稿を超えてナラティブを増幅させ、個々のタッチポイントを織り交ぜることができるようになります。

簡単に言うと、統合型キャンペーンは、オーディエンスにシームレスなエクスペリエンスを保証しながら大規模なコンテンツを作成する最良の方法です。

2.大規模なコンテンツプランニングを模範にする

最新のマーケティングのベストプラクティスでは、アドホックなコンテンツ作成から合理化されたプランニングへの移行が求められています。これは、1度限りのコンテンツ施策よりも、はるかに影響力があり効率的な戦略です。

多くのコンテンツマーケターは、コンテンツプランニングのモデルに関して1度限りのコンテンツアセットを作成する、もしくは単独のエバーグリーンなブログ投稿を作成するという、もっとも抵抗の少ない方法を選択してきました。より洗練されたマーケターは、ビデオ、リサーチペーパーまたはイベントなどの主要なビッグロックコンテンツを開発し、それをサポートする派生的なアセットの作成を選択します。統合型キャンペーンはさらに一歩進んだものです。必要なアセットが最初から決まっているため、コンテンツが一貫性のあるクリエイティブなアイデアで統一され、チャネルごとにカスタマイズされるように支援します。

大規模なキャンペーンはサステナブルではない、または投資する価値がないという従来的な考え方には(一部のチャネルは純粋にCPCにもとづいて他のチャネルより優れた投資だという考えによく似ています)欠陥があります。統合型キャンペーンのメリットは、「キャンペーン」メッセージが複数のチャネルにわたって増幅され、即時のネットワーク効果がもたらされることです。そうすることで、統合型キャンペーンは、反復可能かつ持続可能で、スケーラブルなプランニングモデルを実現します。

3. エバーグリーンだけでは足りない

誤解の無いように補足します。エバーグリーンコンテンツの制作は変わらず重要であり、マーケターはエバーグリーンコンテンツを次のレベルへと引き上げなくてはなりません。キャンペーンアプローチを採用すると、関連性のある、時代を超越したコンテンツがより大きな効果を発揮します。

期限のない貴重なコンテンツとして定義されるエバーグリーンコンテンツは、コンテンツエンジンの実行を維持し、安定したエンゲージメントの流れを生み出すのに役立ちます。つねに関連性のある要素(手順とチュートリアル、ハウツー、よくある質問への回答)は、あらゆるコンテンツプログラムの基盤となるものです。一揃えのエバーグリーンコンテンツを公開すれば、オーディエンスが定期的にあなたのコンテンツに目を向け、信頼できる情報源として位置付け、エンゲージメントの構築に役立ちます。

一方、キャンペーンはタイムリーで日和見的であり、特定のプロモーション、イベント、ローンチなどの認知度を高め、コンバージョンを促進する等の短期的な目的があります。ワンオフ(1度限りの施策)のエバーグリーンコンテンツとは異なり、さまざまなアセット(ブログ投稿、ソーシャル投稿、インフォグラフィック等)を含む統合型キャンペーンは、最大のリーチを達成し、新しいオーディエンスを獲得し、コンバージョンの促進を目的としたキャンペーン施策を、もっと短期間に急進させます。

それでは、エバーグリーンコンテンツと時間ベースのコンテンツの適切な組み合わせは何でしょうか?

理想的なシナリオは、キャンペーン固有の目標(つまり、エンゲージメントとコンバージョン)を実現するために、主要なテーマ、イニシアチブ、製品の発売、イベントなどに焦点を当て、より広範な統合型キャンペーンの一部として機能する時間固有のコンテンツのリズムの補足として、持続可能で時代を超越したコンテンツを公開することです。つまり、コンテンツプログラムは2回機能します。信頼性の高いエバーグリーンコンテンツの豊富なリポジトリを提供することで、オーディエンスの信頼を獲得しながら、「瞬間」と既存のキャンペーンを活用して注目を集めましょう。

4. マーケターは赤字で運営するもの

組織は、コンテンツマーケターとそのチームに対して、より少ない労力でより多くを実行させ、部門や地域を超えて大規模かつ迅速にコンテンツを作成し、可能な限りコストを最小限に抑え、消費者により素早くメッセージを届けるように圧力をかけます。その理由は、コンテンツが無駄になるという、憂慮すべき傾向のためです。

チームが戦略的な目的やビジネスに影響を与えないコンテンツ、資産または戦術に投資している場合、マーケティングに無駄が生じます。顧客に価値を提供していないコンテンツ、不十分な内容で作成されたコンテンツ、そして重複した施策の結果がその中に含まれます。マーケターには、調整不足によって、リソース、時間、コンテンツを無駄にする余裕などありません。

SiriusDecisionsの調査では、チームが作成したコンテンツの65%が未使用であることを明らかにしまました。さらに、ANAのレポートによると、CMOのデジタルメディア投資のたった4分の1のみがターゲットオーディエンスに到達し、200億ドルを超えるマーケティングの浪費をもたらしていると報告されています。公開されるコンテンツは、そのほとんどが効果を発揮できていません。Buzzsumoが報告しているように、コンテンツのわずか5%がエンゲージメントの90%を占めており、公開されたコンテンツの大部分がオーディエンスをエンゲージさせることに失敗しているのです。

時間と資金は相変わらず貴重であるため、統合型キャンペーンの強力なビジネスケースを構築し、各コンテンツを最大限に活用することは、マーケティングの成功に不可欠なことです。

5. より大きな視点で考える

ワンオフキャンペーンという考え方から、統合型キャンペーン向けのコンテンツプランニングに移行することで、全社的なメリットおよび職業上のメリットを得ることができます。考えてみてください。組織内のコンテンツマーケティングを向上させ、予算を増やし、マーケターの地位も高くなることを。

直属のチーム以外にもリーチを拡大し、チャネルアプローチをより包括的にすることで、組織内のさまざまな部門、場合によっては経営陣からの認識を高めることができるでしょう。コンテンツを広めることは簡単ではありませんが、同じ共有顧客を引き付けるための共通通貨であることを他の部門に売り出すことで賛同を得られる場合もあります。

これにより、予算を引き出すことができます。従来型の広告には高価な役割がありますが、コンテンツマーケティングは、とくにオムニチャネルのアプローチが含まれる場合には、購買者のジャーニーを通じて対話を維持し、オーディエンスを育成するのに効果的です。コンテンツマーケティングのコストは従来型のマーケティングよりも62%低く、3倍のリードを生み出すがわかっています。従って、さまざまなチャネルやチームを導入することで、コンテンツ施策を増幅させ、(必然的に)ビジネスにおけるポジティブな影響を証明できるとしたら、複数のチームが関与するキャンペーンに向けた魅力的なコンテンツを作成する予算を追加または再割り当てを会社も検討してくれるでしょう。

最後に、統合型キャンペーンを提供することから得られる個人的なメリットは影響力です。統合型キャンペーンを指揮することで、あなたがリスクを厭わないリーダーであり、サイロを打ち破り、共通の目標に向かって組織を結集できるということを証明できます。この資質は、運用効率を高めながらパフォーマンスを向上させる能力を備えたリーダーを求める上層部の目に留まるでしょう。「リスクが大きければ大きいほど、見返りも大きくなる」という古い格言がここに当てはまります。統合型キャンペーンモデルへの移行には多大な労力を要しますが、その見返りは計り知れません。

まとめ

Albert Einsteinはかつて、「問題は、それを作りだした時と同じ意識で解決することはできない」と述べました。Einsteinはコンテンツマーケティングについて話していたわけではありませんが、この格言は、今日のコンテンツマーケターの運用方法に当てはまります。

マーケティングコンテンツに統合型アプローチを取り入れることで、コンテンツのあらゆる側面に意義があり、最終的にバイヤージャーニーを繋ぐ、一貫性のある魅力的なカスタマーエクスペリエンスを提供できます。コンテンツマーケティングの次の段階へいくためにも、コラボレーションを介して統合型キャンペーンを実行する機能は、パフォーマンスの高いチームにとって重要となります。

統合型キャンペーンに投資する必要がある理由がわかったところで、効果的なオムニチャネルキャンペーンを実施するためのベストプラクティスに関して解説した本編のパート2も是非ご一読ください。

元記事「5 Reasons Content Marketers Should Adopt Integrated Campaigns (Part 1 of 3) 」は2019年5月30日にInsights.newscred.comに掲載されました。

この記事は、NewsCred BlogのLieu Phamが執筆し、Industry Diveのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまでお願いいたします。

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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