コンテンツマーケティングの予測可能性を実現する4つのステップ

あらゆるビジネスは、予測可能な状態にするよう取り組まれています。

ビジネスが予測可能な状態になれば、新たな収益を生み出すために必要な投資額を把握できるようになるため、継続的な成長を推進することができるからです。

中小企業経営者がABC放送の『Shark Tank』(『マネーの虎』のアメリカ版の番組)に出演し、Mark Cuban氏のような投資家から6桁(10万ドル以上100万ドル以下)の投資を獲得することができるのが投資可能性です。また、世界最大のブランドがウォール街の投資家たちを喜ばせて株価を引き上げることもできるでしょう。

多くの企業において、CMOはマーケティングをコストセンターから予測可能なプロフィットセンターに変える役職として見られています。

それを実現しようと、CMOは営業チームが毎月・毎四半期・毎年の収益目標を達成するために必要なリード生成の投資額を正確に把握しなければなりません。

しかし現在、多くの企業が、一時的に達成できるマーケティング方法に依存しすぎているため、着実に成果を達成しようとするCMOの能力を妨げてしまいかねないのです。

B2Cのマーケティング担当者であれば、月末に近づいているのに必要な売上が達成できていないという状況を経験したことがあるでしょう。この状況で行われがちなのが、広告や有料ソーシャルメディアにお金をつぎ込むことです。この方法によってマーケティング担当者は収益目標を迅速に達成することはできますが、顧客獲得費用が膨れ上がることにもなります。

B2Bマーケティングでは、多くのマーケティング担当者が迅速なリード獲得のために電子メールリストを購入しています。数カ月後、営業力の拡大と収益目標の増加によってさらに多くのリードが必要になった場合、マーケティング担当者は、さらなるリードを必要とする販売組織の目標を達成させるために、ますます多くの費用をかけて十分なリストを手に入れなければなりません。これは、予算を意識したソリューションを策定し、需要を効果的に調整するマーケティング担当者の能力に大きな影響を与えてしまいます。

上記のシナリオを一度だけ実行する場合は、何も問題ありません。しかし真実を述べると、このような行為はお金がかかるだけで規模を拡大させることができません。なぜなら、マーケティング担当者は実際にリードを生成するプロパティを所有していないからです。

一方、予測モデルでは、マーケティング担当者がリードチャネルを所有し、それらの規模を拡大するために必要な投資額を理解しています。

しかし、持続可能でスケーラブルな予測モデルの構築は、一夜にして起こるものではありません。時間・お金・リソースへの先行投資が必要となりますが、その分利益は膨大なものになる可能性があります。予測モデルがAmazonでどのように機能したかを見てみましょう。

 

Amazonが予測分析を実装した仕組み

 

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2014年、Amazonは「予測配送システム」の特許を取得しました。

この構想によって、Amazonは前回の注文内容・商品検索・その他の顧客データを考慮しつつ、特定の地域の顧客が欲しがる製品を把握することができました。

これらの予測分析は顧客待機時間の短縮に役立ち、競合が多いオンライン小売業界との差別化を明確にしました。さらに、顧客ロイヤルティと利益が増大しました。

当初、ウォールストリートは懐疑的でしたが、Amazonは自分たちの戦略が成功することを確信していました。Amazonはサプライチェーンに多額の投資をしましたが、その分多くのリターンを得ることができたのです。

この予測可能性により、Amazonは7四半期連続で収益を確保し、最もホットなテクノロジー企業のひとつへと成長。消費者を楽しませながら収益を向上させました。

 

コンテンツマーケティングが予測可能性を生み出す仕組み

予測配送システムにより、Amazonは、オーディエンスが動く前に彼らが欲しがるものを理解できるようになりました。

マーケティングの世界では、コンテンツマーケティングで同じような予測可能性を生み出すことができます。

Marketin Insider GroupのCEOであるMichael Brenner氏は、「バイヤージャーニーは、回答しなければならない一連の質問に過ぎない」と述べています。

この言葉に同意するならば、あなたの顧客が持っている質問や、その質問の回答として作成する「予測コンテンツ」を考えてみてください。予測コンテンツで見込み客との関係を構築するにつれて、カスタマージャーニーが加速し、最終的にリード/機会のスピードとマーケティングによる収益を増大させることができるでしょう。

コンテンツマーケティングは、オーディエンスを引きつけて初期トラフィックを促進するために先行投資を必要としますが、時間が経てば毎月の予算確保に頼ることなく、予測可能で費用対効果の高いリードフローになります。

マーケティング担当者は、規模の拡大と予測可能性を実現するために、次に紹介する4つの重要な考え方を心に留めておいてください。

 

コンテンツマーケティングの予測可能性を実現する4つのステップ

 

  1. 適切に機能するコールトゥアクション(CTA)と組み合わせて高品質のコンテンツを制作する

すべてのマーケティング担当者が「高品質なコンテンツを作成する必要性」について聞き飽きたと思うので、誰も興味を持たない話を続けるつもりはありません(ただし、指針を必要とする場合はインスピレーションを受けるためにNewsCredのコンテンツマニフェストを参照してください)。

代わりに、コンテンツ内に表示されるCTAに注目したいと思います。

NewsCredは、最終的な目標はコンテンツを良くすることではないと考えています。主たる目標は、コンテンツを使用してビジネスを向上させることです。

つまり、オーディエンスがコンテンツにエンゲージしているときに、ブランドの収益拡大やブランドエクイティ向上にプラスの影響を与える行動へと誘導しなければなりません。

未知のユーザーを既知の電子メール購読者に転向させましょう。また、ユーザーを製品ページや料金ページに誘導しましょう。さらに、類似のコンテンツをおすすめして、コンテンツハブの訪問ごとにさらに多くのページを消費するようユーザーに求めることもできます。

いま、あなたはうなずきながら「すでに実施している」と思っているかもしれませんね。

そうかもしれませんが、何人かの見込み客やクライアントに共通するテーマのひとつは、CTAが記事の最後に表示されていることです。Chartbeatの調査によると、一般的な記事では、わずか3分の2の人しか15秒以上のエンゲージメントをしていません。マーケティング担当者は、記事の最後にCTAを配置しているがゆえに、コンバージョンを増やす能力を逃しているのでしょうか?

NewsCredでも同じような質問を受けたので、テストを実施しました。

NewsCredは最近、CloroxのCMOに関する記事を含むニュースレターを送付しました。NewsCred Content Marketing Cloudの分析では、記事のエンゲージメント率が52%、平均エンゲージメントタイムが0:46であることがわかったのです。Chartbeatの平均結果と比較すると、かなり良い数値ですよね!

次に、Googleタグマネージャを使用して、ユーザーがページの25%、50%、75%、100%に達したときにイベントを発生させ、どこで離脱したかを調べる実験を行いました。

このデータポイントに関する注意事項を簡単に説明しましょう。100%はページの一番下なので、実際にストーリーが終わるのは75%のポイントです。そのため、75%に到達した人は、CTAがあるコンテンツの一番下に到達したことがわかります。

 

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データでは、38人がコンテンツの一番下に到達していますが、269人が一番下よりも少し上のポイントで離脱し、記事を読み終えなかったことを示しています。

幸いなことに、私たちは50%のエンゲージメントでもユーザーを獲得できるよう、CTAを最適化していました。それは、最後まで読まなくともストーリーの途中でポップアップが表示される仕組みです。50%のポイントに配置した理由は、ストーリーの一番上にCTAがあると、即座にページを離脱する可能性が高いためです。また、CTAがページの一番下だと、ユーザーがそこまで到達しなければ目にも入らないからです。

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50%までページスクロールされると、ポップアップが表示されます。このポップアップは、ニュースレターのサインアップの70%を生み出しています。詳しくお伝えすると、当社のニュースレター登録者は10万人以上です。

これが、CTAが非常に重要な理由です。あなたは、ユーザーに希望する行動を取ることで彼らとの関係を構築しています。エンゲージすることをオプトイン(選択)した彼らは、高額なメンバーリストを購入するよりも価値が高く、予測可能なものになります。

 

  1. 持続可能なパブリッシングの頻度を確立する

すべてのマーケティング担当者は、カスタマージャーニーの各段階におけるコンテンツがブランドのデジタルマーケティングでプレゼンスを示すための要件であることに同意するでしょう。しかし、Tomasz Tunguz氏の言葉を引用して真実を述べると、「コンテンツ制作のドラムビート(頻度)を維持するには、鍛錬と粘り強さがなくてはなりません。常に拡大しているコンテンツライブラリを作成する複合的なメリットは、製品・ブランド・企業の持続的な成長と意識を高めてくれることです」。

これらの複合的なメリットは、次の2つの理由で発生します。ユーザーは質の高いコンテンツを愛していること、そしてGoogleも彼らと同じだということです。

Kissmetricsによると、「優れたSEOとは、コンテンツが一貫したアウトプットを生み出すことを意味します。一貫したアウトプットとは、コンテンツマーケティングの方法が適切だということ。コンテンツマーケティングは動作動詞なので、進行中の行動を伴います。ですので、途中で立ち止まらず、とにかく継続してください」。

ユーザーは、あなたのブランドが定期的に優れたコンテンツを制作していると認識すると、エンゲージし続けます。

(1週間に数件の記事であっても)定期的にコンテンツを制作して、そのコンテンツをクリックおよび共有してくれる読者がいれば、SEOが構築されます。あなたのページが上位にランクインすれば、継続的な支出を抑えて、人々がブランドを検索するための予測可能な機会が確立されます。これこそがコンテンツマーケティングの複合的な効果です。

 

  1. 自社の配信チャネルを構築する

おそらく次の質問は、「このコンテンツを、予算を抑えた配信戦略を使ってターゲットオーディエンスの前に表示させるにはどうすれば良いですか?」というものでしょう。

マーケティング担当者の皆さん、自分で管理していないプラットフォームでオーディエンスを構築するのはもうやめましょう。

事例とポイント: たとえブランドのFacebookページがユーザーの人気を集めていても、投稿したポストをもっと見せたいなら支払いは続けなければなりません。

(自社のウェブサイトのような)目的地にトラフィックを集中させることに焦点を当てていないマーケティング担当者は、自分が管理できる場所でオーディエンスを獲得する能力を無駄にしています。

誤解しないでください。有料配信は、コンテンツのリーチを拡大するのに非常に効果的です。しかし、目標とすべきは、あなたが欲しいオーディエンスを誘致・獲得・転換し、自社が管理するチャネルで彼らと永続的かつ予測可能な関係を構築することです。

繰り返しますが、コンテンツマーケティングで重要なのは、オーディエンスを購入するのではなく獲得することです。

NewsCredのコンテンツマーケティング活動では、電子メールがNewsCredのトラフィックの44%以上を占め、オーガニック(SEO)トラフィックが25%を占めています。これは、当社が有料のトラフィックに依存していないことを示し、ソーシャルプラットフォームの変更や広告費用に変動がない、より持続可能で予測可能なプログラムを持っているということです。

 

  1. 分析に焦点を当てる: トラフィック、エンゲージメント、アクション、収益

分析することは、結果を理解して明確にするだけでなく、行動を起こす能力と同じくらい強力なものです。

マーケティングチームが貴重なコンテンツを作成し続ける中で、どのようなコンテンツがブランドエクイティとマーケティングによる収益を向上させるためにオーディエンスを引きつけているのか、そしてエンゲージしているのかを理解することが重要です。さらに、コンテンツマーケティングによるビジネスへの影響を明確にするために、どのようなコンテンツがリード・機会・収益を促進しているかに焦点を当ててください。

マーケティング担当者は、時間の経過とともに、コンテンツがカスタマージャーニーにどのようにマッピングされているかを見て、予測可能なモデルを作成します。そして、エンゲージしたユーザーのうち、最終的にリードに転換するユーザーの割合と、リードが顧客に転換する割合についてわかるようになるでしょう。

結論

コンテンツマーケティングで高品質のコンテンツを作成・最適化・配信するためにはソフトウェアとチームに多大な初期投資が必要ですが、リターンは時間の経過とともに複合化します。

さまざまなチャネルを通して、サイトトラフィックの増加、より長いエンゲージメント時間、未知のサイト訪問者から既知のサイト訪問者へのコンバージョン率の向上、ブランド未登録キーワードのオーガニック検索ランキングの向上、電子メールマーケティングデータベースの増大、電子メールの開設率/クリック率の向上、ソーシャルメディアのフォロワーの増加を経験し、最も重要なことにマーケティング担当者の見果てぬ夢である、コンテンツに起因する収益とそれによる粗利益を達成するでしょう。

そして、それはすべて予測可能なことです。

マーケティング担当者は、最終的にCMOやCFOのためにビジネスケース(投資対効果検討書)を作成し、投資の増額を求めることができるでしょう。なぜなら、彼らは利益がどのように指数関数的に増加していくかを正確に把握できるのですから。

 

Neil BarlowはNewsCredのエンタープライズB2Bセールスディレクターです。

 

元記事「Content Marketing and the Path to Predictability」は2017年3月22日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのNeil Barlowが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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