直販ブランドの台頭は、コンテンツマーケティングにとって何を意味するのか

Nikada

今日の消費経済は10年前とは大きく様変わりしています。

Fotune500に名を連ねるブランドが、P&GやUnileverのような大手のブランドだけではなくなっているのです。現在、幅広い世代向けのGlossierAway、Plated、Harry’sThe Honest CompanyといったD2C(直販)ブランドが人々の心を掴んでいます。この調査結果は、IABが最近「21世紀におけるブランド経済の台頭」という報告書の中で、詳細かつ興味深い事実を公開しました。この報告書は、今日の世界でブランドが成功する方法や、コンテンツマーケティングが果たす役割について説明しています。

コンテンツと顧客中心主義への移行

過去10年間で、人々の買い物手段は大きく変わりました。1879年から2010年まで、ブランドは消費者にリーチするために、ラジオ・テレビ・新聞・雑誌などのマスメディアに頼っていました。つまり、消費者との関係は常に間接的なものだったのです。中にはサプライチェーンを支配し、膨大な広告予算を持つブランドが何十年もの間トップを君臨していました。当時、多くの店舗や家庭に置かれていたのは、誰もが知っているKellogg’s、Campbell’s、Palmoliveといったブランドの製品でした。

The indirect brand economy_IAB.png

しかし、その様相はインターネットの台頭とともに一変します。現在、カミソリ・眼鏡・ベッドシーツなどの超ニッチ市場に特化した新興ブランドは、仲介者を避け、ソーシャルメディアなどのチャネルからターゲットオーディエンスにリーチしています。

Brooklinen_direct-to-consumer brand.png

コンテンツマーケティングの台頭がそれと同時期に起こったのは偶然ではありません。私たちは、間接経済が終焉に近づいていたため、NewsCredを設立し、コンテンツマーケティングというカテゴリーを生み出したのです。そして、消費者と直接つながったことで、ブランドには伝えるべきメッセージが生まれました。

消費者の思考・感情・日常にリーチする

IABによると、消費者向けのブランドが成功するためには、思考・感情・日常という「ラストスリーマイル(ラストワンマイルをもじった言葉)」を重視しなければなりません。企業は、最初の2つを捉えるために強い目的意識を持ち、コンテンツを通じて目的を伝える必要があります。

「ストーリーテリングは当社のマーケティングにおいて中心的な要素です。報道機関やソーシャルメディアでどのようなコンテンツを公開すれば、人々の目に留まり、シェアや議論をしたくなるかを常に考えて制作しています」と旅行会社Awayの共同創立者であるSteph Korey氏は言います。Awayは、3,100万ドルの資金調達を行い、2,000万ドル以上相当のスーツケースを販売した企業です

雑誌とオンラインで世界を探検しよう。@here.magの第3号が本日公開。#travelaway

2018年2月20日午前9時55分(PST)にAway(@away)がシェアした投稿

さらに、新世代のD2Cブランドは、ファーストパーティデータにもとづいて活動しています。従来型のブランドは、小売業者を経由して製品を販売していたため、顧客に関するデータを持っていませんでした。しかし、新世代のブランドは、顧客と顧客の関連情報をすべて把握しています。彼らは、オプトインIDデータを収集し、コンテンツやサービスを通じて顧客との関係を構築することで、成功を収めています。

製品ラインの人気に火が付いた美容ブログ・Glossierを例にとってみましょう。Glossierは、製品ラインの立ち上げ後6週間で、シリーズAの資金調達で840万ドルを調達しました。創立者のEmily Weiss氏は、各製品がソーシャルメディアでどの程度拡散されたかを判断するため、データやアナリティクスに投資しました。そしてその動きは明らかに成果を上げています。Glossierは、2015年から2016年にかけて前年比600%の成長を遂げ、大規模で熱心なファンベースを構築し、シリーズCの資金調達で5,200万ドルを調達して資金調達総額を8,600万ドルへと引き上げたのです。

@glossier のフォロワー数100万人突破。でもまだまだこれからです。私たちを信じて付いてきてくださったみなさん、ありがとうございます。
皆さんのストーリーをシェアしてくださいね。

2018年2月20日午後12時56分(PST)にGlossier(@glossier)がシェアした投稿

D2Cブランドは、オンライン上で消費者との対話・取引・ストーリーテリングを行っています。これらのブランドは、親近感をもたらし、顧客を理解し、価値を提供するだけでなく、ソートリーダーシップと目的意識を重視しています。彼らは自分たちの存在理由を理解していますが、顧客も同様です。彼らが情熱を注ぐのはカスタマーサービスやカスタマーエクスペリエンスです。

D2Cブランドの台頭がコンテンツマーケティングにとって何を意味するか

多くの大手ブランドが苦戦しています。小売業者から食品・自動車業界に至るまで、アメリカにおける消費者経済のほぼすべての分野で、成長が鈍化しているか止まっているのです。そしてオンライン販売は、カテゴリー全体の成長の約90%を占めています。これは、Amazonのようなeコマース最大手企業でさえ、割合としては非常に小さい数字です。しかし、傾向としては上昇しているため、デジタルがすべてを支配する日も近いでしょう。

コンテンツマーケティングは、マーケティング戦略の一つに組み込むべきです。新しいタイプのデジタルネイティブブランドは、あらゆる業界を変革しています。このような大規模な業界のディスラプション(創造に向けた破壊や革新)は、100年ごとに発生します。コンテンツマーケティングを行えば、コンテンツを使ってオーディエンスをエンゲージさせ、データを収集し、他社と差別化し、販売することができるため、ブランドは成功を掴むことができます。

コンテンツマーケティングは、コンテンツベースで消費者と直接つながる新興ブランドであろうと、D2Cを採用してストーリーを語り、消費者との強い結びつきによってディスラプター(創造的破壊者)の攻撃を受け流す既存ブランドであろうと、双方とって有益なものです。

現在、非常に多くの企業が不確実な未来に直面していることを考えれば、すべてのブランドにコンテンツが必要だと言えるでしょう。

Shafqat IslamはNewsCredのCEO・共同創立者です。

元記事「What the Rise of Direct-to-Consumer Brands Means for Content Marketing」は2018年2月27日にInsights.newscred.comに掲載されました。

この記事はNewsCred BlogのShafqat Islamが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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