「誰の人生にもストーリーがある」 〜コンテンツのアイデアソース

誰の人生にもストーリーがあります。Dave Isay氏がStoryCorpsを立ち上げたきっかけも、そうした考えが根底にあったからです。StoryCorpsは、一般の人たちのインタビューを史上最大規模で集めている団体です。Daveは、TEDトークで会社を設立した経緯についてのストーリーを共有してくれました。

彼は22歳の時に、天職とも言えるラジオの番組制作の仕事にめぐり会いました。そして同じ頃、非常に仲の良かった父がゲイであることを知りました。

彼はこの事実に打ちひしがれ、父親との関係もぎこちなくなってしまいましたが、父との会話の中で、ストーンウォールの反乱について知ります。それがストーリーテリングの旅の始まりでした。

 

ストーンウォールの反乱

1969年のある夜、マンハッタンの「ストーンウォール・イン」というゲイバーが警察による踏み込み捜査を受けた際、若い黒人やラテン系のドラァグクイーンたちが警察に立ち向かいました。

この反乱は、後々までゲイやレズビアンのコミュニティに影響を与え、現代の同性愛者人権運動の発火点となりました。

Daveは、このストーリーに興味を搔き立てられ、ストーンウォールの反乱に関わった人々についてもっと知りたいと思いました。そこで彼は、記録保管人の助けを借りて、その夜にストーンウォール・インにいた人々を探し出しました。そして、人々のインタビューを録音し続ける中で、Daveはマイクが持つ力に気付きます。それは、決して行くことがなかったはずの場所に行き、話すことのなかったはずの人々と話せる力です。

Daveはストーンウォールの反乱に関するラジオドキュメンタリーを制作しましたが、このストーリーが全国のオーディエンスに届けられたのは初めてのことでした。その後、「The Stonewall Uprising」という長編映画も生まれました。

この番組は、彼と父との関係や、彼の人生をも一変させました。その後15年以上にわたって、Daveはさらに沢山のラジオドキュメンタリーを制作し、主流メディアが滅多に取り上げない人々の声を集めようとしました。

その過程で、Daveはインタビューしてもらえるという単純な行為に人々が感動することを目の当たりにします。自分の話を聞いてもらえるということは、自身のストーリーが重要だと思っていなかった人々にとって、大きな意味を持つものだったのです。

 

他の人が自分のストーリーを伝える手助けをする

この経験がきっかけで、DaveはStoryCorpsを立ち上げました。StoryCorpsは、さまざまなストーリーを録音し、そのストーリーに耳を傾ける機会を提供するプロジェクトです。グランド・セントラル・ターミナルに設置されたブースでは、誰もが親しい人と一緒に訪問して、自分の人生についてインタビューしたり話したりすることができました。

インタビューは、「こんなに深い会話はもうできないのでは」と思うほど濃密なものになりました。この実験によって、このプロジェクトは最終的に他の都市にも広がり、今まで真剣に話を聞いてもらえなかったり、無視されたりしていた何十万人もの声が集まりました。

 

真正なストーリーの力

私は、「The Significant Objects Project」という記事の中で、一見重要ではないように見えてもそこには貴重なストーリーが眠っていることを紹介しました。Daveは、StoryCorpsが集めたストーリーを聞くと多くの人が涙をこぼすことに気付いたそうです。ストーリーが悲しいからではありません。実際、悲しいストーリーはほとんどないのです。

彼は、人々が涙を流す本当の理由が、真正で噓偽りのないストーリーに心を動かされるからだと考えています。本物と偽物を見分けるのが難しい現代において、これは重要なことでした。

StoryCorpsプロジェクトでDaveが気付いたもうひとつの重要な側面は、傾聴の力です。私たちは皆、ただ立ち止まって耳を傾けるだけで新しい人々や世界について何かを学ぶことができると彼は信じています。

 

マーケティング担当者が学ぶべき教訓

顧客と彼らのニーズを真の意味で理解するためには、押し売りをやめて彼らの話に耳を傾け、彼らとお話してください。Daveと同じように、あなたも顧客にインタビューすることができるのです。

時間をかけて彼らのストーリーや困りごとを把握できれば、顧客が望むような意義深いコンテンツを制作することができます。

現代は、毎日大量のコンテンツが溢れ、人々の興味を勝ち取る競争がそこかしこで行われているため、注目を集めるのは簡単なことではありません。コンテンツを際立たせ、雑音をすべてはねのけるために、押し売りをやめて顧客の声に耳を傾けてください。

簡単ですが、この方法をコンテンツ戦略に取り入れることで、顧客が望むコンテンツを作成することができ、売上と業績を向上させるような、より深い顧客関係を築くことができるのです。

 

Michael Brennerは、大手コンテンツマーケティングプラットフォームであるNewsCredの戦略責任者です。さらに彼は、B2B Marketing Insiderのライター兼Forbesの寄稿者であり、マーケティング戦略・ソーシャルビジネス・コンテンツマーケティング・デジタルマーケティング・ソーシャルメディア・パーソナルブランディングといったトピックをカバーする業界イベントで頻繁に講演しています。Twitter(@BrennerMichael)、LinkedInFacebookGoogle+でMichaelをフォローしましょう。元記事は最初にB2B Marketing Insiderに掲載されたものです。

 

元記事「Content Marketing 101: Everyone Has a Story to Tell」は2015年10月28日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのMichael Brenner が執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

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