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グッチのような歴史ある高級ブランドがいかにしてZ世代の賛同を得たか

今、Gucciはミレニアル世代の間で圧倒的な人気を博しています。 2018年、Gucciの80億ドルを超える売り上げの62%は35歳未満の若い世代によるものでした。しかし、商品が高額であることを踏まえると、一般的な高級ブランドにとっては獲得が困難なターゲット層です。

現在、グッチの中でもっとも急成長しているセグメントはZ世代であり、その最長年齢は24歳です。これはGucciの将来にとって良い兆候です。2025年までに、ミレニアル世代とZ世代は、高級品の総支出の45%を占めることが想定されています。これらの若者の多くがすでにグッチに精通しており、おそらくこのブランドのハンドバッグやシューズのいずれかを所有しているでしょう。

1世紀を経た高級ブランドはどのようにしてこれ程の偉業を成し遂げたのでしょうか? 2015年にGucciのCEOに就任し、ブランドの爆発的な成長を後押ししたMarco Bizzarri氏は、Gucciが提供するFast Company European Innovation Festivalの一環として、同社のミラノ本社でその秘密の一部を共有しました。

Bizzarri氏によると、若い消費者を獲得した理由は、クリエイティビティとテクノロジー、そしてアートとサイエンスの間の微妙なバランスを見つけることにあるそうです。ひとつには、Bizzarri氏にはテクノロジーに対する楽観的な見解がありますが、その一方で高級ブランドのCEOの多くはテクノロジーに対して懐疑的であり、ブランドのeコマースサイトやソーシャルメディアのアカウント作成が遅れているのです。

「テクノロジーの導入に前向きだったのは、退屈なタスクをテクノロジーに任せて、クリエイティブや私が好きなことにもっと多くの時間を費やせると感じたからです」。

 

未来はファッショナブル

2015年にGucciの陣頭を執って以来、Bizzarri氏は数多くのテクノロジーを会社に導入しましたが、その多くは一般の消費者には明らかにされていません。しかしそれはショッピング体験をよりスムーズで効率的なものにしています。Gucciは、サプライチェーン管理、販売予測、マーチャンダイジング、店舗の営業担当者向け音声アシスタントなど、ビジネスのバックエンドで最先端のテクノロジーに大規模な投資を行ってきました。すべては、シームレスなショッピング体験を期待しながら成長してきたZ世代を獲得するにあたり非常に重要ことでした。

しかし、Bizzarri氏にとって、これらは次世代の買い物客を獲得するための、単なる手持ちのチップでしかありません。「このようなテクノロジーを最初に使う企業は競争において優位性を得ることができるでしょうか」と、Bizzarri氏は問いかけます。「いいえ。すぐにコピーされますね」。

Bizzarri氏はテクノロジーの役割を、顧客を解放し、Gucciのブランド体験の一部を目で見て、触れて、感じることができるようにすることだと考えています。 過去4年間でグッチの美学を変革し、ブランドに新しい命と興奮を呼び覚ましたクリエイティブディレクターのAlessandro Micheleを起用したのも彼でした。そして過去のインタビューにおいて同氏は、最高品質の商品を創造し続けることに対するコミットメントについても熱く語っています。昨年、Bizzarri氏は「Gucci ArtLab」と命名された未来型ファクトリーを開設しました。そこでは職人たちが集合して、最先端の機械と昔ながらの職人技を融合させる空間で製品を手作業で作り出しています。

このアプローチに対する若い消費者の反応は好評です。過去4年間、Gucciの成長を牽引してきたのも彼らです。Bizzarri氏とMichele氏の入社以降、ビジネスは3倍になり、8,000名の新入社員が追加雇用されました。けれども、Bizzarri氏は、Gucciが技術革新に全く投資しなかったら、需要に追いつくことはできなかっただろうと言います。そして、顧客が製品を受け取るまでに長期間待たなければならなかったら、即効的な満足感を期待する最年少の顧客層を失ってしまっていたでしょう。

「2つのことが融合されているのです」と同氏は言います。「Alessandroの美学のおかげで、当社のファッション構想が完全に変化しました。その後、サプライチェーン等のすべてのサポート活動により商品提供を実現できたからこそ、生産能力を迅速に、3倍に伸ばすことができたのです」。

 

クリエイティビティへの投資

ミラノにあるファストカンパニーのステージ上でBizzarri氏と対談をしたロンドンのキングス・カレッジの著者兼客員教授であるAlec Rossにとって、このクリエイティビティとテクノロジーの融合は完全に理にかなうものでした。Ross氏は、Ashuton KutcherやJared Letoなど著名な俳優を含む、今日、世界でもっともクリエイティブな人々がテクノロジー企業に投資していることを指摘しています。

「現在、少なくとも米国では、数多くの最高の投資家たちが芸術に関わっています」とRoss氏は言います。「彼らは(平均的な投資家とは)若干異なる視野で物事を見ています。テクノロジーとアートの創造プロセスは、別世界のものではありません」。

一方、Bizzarri氏は栄光に甘んじたくはないと考え、Z世代と密接な関係を保ち続けています。Gucciへの入社時、彼は世界中を巡り、30歳未満の人たちの「シャドウ・コミッティ(影の委員会)」を設けました。彼らの視点を理解するためです。そして3年前、同氏は30名の若者を技術のエキスパートたちと同じ部屋に招待し、どんなアイデアが創出されるかを調べました。 同氏は今後もこの試みを続けていきたいと考えています。

「このような若い方たちは、特定の事柄についてより多くのことを知っています」と同氏は言います。「ですから、CEOとしてのエゴを抑えなければなりません」。

今後の計画がどうであれ、世界中が政治的および社会経済的危機に直面しても、CEOとして楽観的であり続けることが不可欠であるとBizzarri氏は言います。同氏は、20年前に会社を経営してから、尊敬する他企業のCEOを見学して回りました。クライスラーのLee Iacocca氏からアップルのSteve Jobs氏、当時Gucciを経営していたDomenico de Soleまで、面会した誰もが楽観的な見方をしていました。

「会社を経営したいなら、悲観的な人間であってはなりません」とBizzarri氏は言います。「世界にはコントロール不可能なものが数多くあります。しかし、共感を生み出し、会社にエネルギーをもたらすことに関しては、楽観的でありたいと思っています」。

 

この記事は、Fast CompanyのElizabeth Segranが執筆し、NewsCredのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

元記事「How a Century-Old Luxury Brand Like Gucci Won Over Gen Z」は2019年7月16日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

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