ブランドがインフルエンサーと二人三脚で成功する戦略とは

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かつて、マーケティング担当者が片手間で行っていたインフルエンサーマーケティングは、現在、業界で最も急成長している分野の一つとなり、近年ではメディアや事業のクリエイティブな側面に変革をもたらしています。

インフルエンサーマーケティング会社のKlearによると、昨年のInstagramではインフルエンサーのスポンサー投稿が200万件以上にものぼり、その数は2017年比で39%増加したと言います。アナリティクス会社Points North Groupは、昨年度、マーケティング担当者は北米でインフルエンサーに10億ドル以上を費やしたと推定しています。

「2年前、約5人に1人のマーケティング担当者が、デジタルインフルエンサーはデジタルコンテンツの上位3つの情報ソースに入っているので、これからも成長し続けるだろうと語っていました」とForrester ResearchのアナリストであるRyan Skinner氏は言っています。多くのブランドは「インフルエンサー活動の予算を前年比で最大50%増やしています。…その活動は、戦略の中でも重要な要素になりつつあるのです」。

Clorox Co.では、「すべてのブランドが全体予算の10%ほどで何らかのインフルエンサー活動を行っていると予想しています」と同社のインフルエンサーマーケティング担当ディレクターであるDavid Kellis氏は述べます。Cloroxは、昨年5億7,000万ドルの広告費を使ったと報告し、自社ブランド向けのインフルエンサー戦略集を持っています。「しかし今年はLiquid-Plumrをはじめ、インフルエンサー活動が予算の大部分を占めるブランドがいくつかありました」。

影響力が大きいとはいえ、インフルエンサーとの仕事や彼らを管理する方法については、依然として懐疑的なところがあります。この記事では、そうした疑問や不安を払拭するための手引書を紹介しましょう。

インフルエンサーマーケティングはチームで取り組む

2、3年ほど前のPR部門やエージェンシーは、ブランドのインフルエンサーマーケティング戦略を監督する傾向にありました。しかし、現在のインフルエンサーマーケティングは、一般的なブランドチーム・クリエイティブエージェンシー・メディア・ショッパーマーケティングの専門家が関与する非常に大きなプロジェクトへと変貌を遂げています。最近は、従来型の広告代理店が(当然のように)創造性を発揮するインフルエンサーを監督する一方で、多くの広告代理店は独自の専門インフルエンサーユニットを持っています。

 

誰がインフルエンサーの管理をするべきか?

インフルエンサーマーケティングの管理をほとんど、または完全に社内で行っている会社もあります。Targetは、もともとサードパーティ企業を介して1,000人以上のインフルエンサーと活動していましたが、社内で管理するようになってからインフルエンサーの数が100人に減りました。そのおかげでより統制力が高まり、より深い関係を築くことができるようになったと話しています。

しかし、数多くある製品のeコマースリストをサポートするために多くのコンテンツを送り出さなければならないマーケティング担当者であれば、社内ですべてを管理するのは難しいと感じるかもしれません。

Forresterは10月に、Launchmetrics、AspireIQ、Quotient’s Ahalogyを中心に、ブランドとインフルエンサーの関係を管理する上位11社のサードパーティ企業を特定しました。これらの企業は、実績を追跡したり、インフルエンサーの投稿の傾向を徹底的に調べたりして、キャンペーンや製品の開発に使用できる分析を提供してくれます。

 

偽物に注意すること

UnileverとProcter & Gambleは、偽フォロワーへの支払いを防ぐために、フォロワーではなくエンゲージメントにもとづいてインフルエンサーに支払いを行っている企業です。Unileverの最高マーケティング&コミュニケーション責任者であるKeith Weed氏は、全マーケティング担当者の約40%が同じような形で支払い額を決めていると考えています。

ただし、問題はエンゲージメント・クリック・いいね・シェアも偽造されている可能性があるということです。中には、エージェンシーを使えば本物を選別できると思っている人もいます。Facebookは11月にInstagramから偽アカウントやフォロワーを排除すると発表しましたが、Points North Groupの分析によると、この動きはまだ、ごくわずかな影響でしかありませんでした。

そのため、インフルエンサーにはコンテンツ制作だけをお願いして、メディアに費用を払ってオンラインで配信してもらうマーケティング担当者が増えているとAhalogyのCEOであるBob Gilbreath氏は語ります。

 

インフルエンサーに創造力を発揮してもらう

今ではほとんどの人が、インフルエンサーが報酬をもらって商品の宣伝をしていると理解しています。法律でスポンサード投稿の開示が義務付けられてからは特にです。しかし、Shareablee等の研究によると、消費者は依然として、従来型のブランド広告よりもインフルエンサーコンテンツの方に反応しているそうです。

Cloroxは、どんなに従来型のブランド広告が素晴らしくても、ブランドの好感度や購入意欲といった点においては、インフルエンサーコンテンツの方が、優れていることを発見したとKellis氏は言います。理由は、インフルエンサーが作成したコンテンツの方が真正に感じるからです。

 

ソーシャルメディアにとらわれずに物事を考える

Targetは、広告に主要インフルエンサーを取り入れたブランドの一つです。CloroxのLiquid-Plumr(排水口・パイプクリーナー)はさらに一歩進み、クリエイティブなアプローチの多くをYouTubeクリエイターのVat19に引き継ぎました。このコンビは、Blendtecの動画コマーシャルシリーズ「Will It Blend?(ブレンドできるか?)」から着想を得て、「Will It Clog?(詰まるか?)」キャンペーンを考案、より大規模なデジタルキャンペーンの導入部として機能しました。このキャンペーンは大成功し、同ブランドの本質的なデジタルキャンペーンとなり、ABCテレビの「ジミー・キンメル・ライブ!」では15秒のTVコマーシャルのパロディも披露されました。さらに、大物コメディアンのWill  Ferrellも、動画サイト「Funny or Die」で、1月1日のローズ・パレードの中継中に「Will It Clog?」動画のパロディを披露しました。

 

インフルエンサーコンテンツのアイデアを広げる

インフルエンサーは、コンテンツを作成する以上のことができます。Kylie JennerのKylie CosmeticsやKim Kardashian WestのKKWなど、現在、大人気の新しい化粧品ブランドを立ち上げたインフルエンサーもいます。そして、大手企業のUnilever、L’Oral、Johnson & Johnsonは、最近インフルエンサーと一緒に新しいブランドや製品ラインを共同開発しています。(Johnson & Johnsonは、昨年、C&C by Clean & Clearを、双子のインフルエンサーBrooklyn McKnightとBailey McKnightと共に立ち上げました。)

PepsiCoのQuaker Oatsは、インフルエンサーの投稿を追跡するAhalogyのMuseアナリティクスプログラムを利用して、オーツの新しい食べ方を発見しました。同社は「overnight oats」(オートミール、フルーツ、ヨーグルトを混ぜて冷蔵庫に一晩放置する食べ方)を紹介し、オーツを冷やす食べ方のアイデアを募るキャンペーンへと発展させました。

 

元記事「How to Succeed with Influencers: A Brand Playbook」は2019年1月24日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はAd AgeのJack Neffが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

 

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