favorit

データサイエンスと“ハイブリッドマーケティング”の台頭

『Harvard Business Review(HBR)』が「データサイエンティスト」を21世紀で最もセクシーな職業だと宣言したのは、2012年10月のことでした。HBRは、Jonathan Goldman氏やLinkedInのD.J. Patil氏、FacebookのJeff Hammerbacher氏などのストーリーを紹介しました。それぞれの企業でデータとアナリティクスをリードしていた彼らは、2008年に初めて「データサイエンティスト」と呼ばれた人たちです。ビジネスシーンにおけるデータサイエンティストの登場は、企業が今までに見たことがない種類や量の情報(通常「ビッグデータ」と呼ばれるもの)を扱っている事実を反映しています。

 

BR1210_500.png

 

また、調査会社のGartnerは、2012年に、今後数年間でビッグデータ需要により創出される雇用機会は世界で440万人に達するものの、採用につながるのは3分の1にとどまると述べました。その予測は驚くようなものではありません。ビッグデータ、モバイルデータ、パフォーマンスデータ、コンテンツデータ、製品データ、さらにはデータの測定方法に関するデータまで、すべてが光速で動いているからです。

しかし、現在も状況はほぼ変わっていません。Glassdoorの2017年ベストジョブで首位に立ったのはどの職業だと思いますか? 2年連続でデータサイエンティストです。Glassdoorは、求人数、予想年収、キャリアチャンスの評価という3つの重要な要因でランキングを決定しています。企業はますますデータを重要視しているため、ほとんどの人はこの結果に驚かないでしょう。

データサイエンティストとは何でしょうか? 端的に答えると、彼らはビッグデータの世界で何かを発見するため、訓練と好奇心を備えた上位のプロフェッショナルであるいうことです。現在、何千人ものデータサイエンティストがスタートアップ企業と大企業の両方で働いています。データサイエンティストの業務は、データを分析しながら何かを発見することです。彼らは身のまわりの世界をナビゲートするのが得意であり、大量のデータに構造を持たせて、分析できるようにしています。また、データソースを特定して他の潜在的に不完全なデータソースを組み合わせ、結果のセットから不要な要素を取り除き、意思決定者によるその場しのぎの分析からデータとの継続的な対話に移行する手助けをしています。データサイエンティストとは、戦略家ではなく実行者なのです。

 

「データサイエンティストは、アドバイスを提供するだけでなく、何かを構築したいと考えています。

ある人は、コンサルタントのように振る舞うことを『デッドゾーン』だと表現しています。」

Thomas H. Davenport および D.J. Patil

 

あなたはデータサイエンスとマーケティングの関連性を見つけることができますか? あまりにも簡単すぎる質問でしたね。現在のマーケティング担当者が、データや分析の扱いに慣れていないのに、(率直に言って私たちの多くが)怖気づくような膨大な量の顧客データに直面していることは誰もが知っているはずです。多くのデータによって、今まで以上に顧客を際限なく理解できる機会が増えました。ソーシャルメディア、SEO、サブスクリプション、閲覧習慣から、オフラインの店内行動やロイヤルティプログラムに至るまで、マーケティング担当者がクロスプラットフォームの顧客インサイトを深めて、本物の「シングルカスタマービュー」を構築するべきタイミングは今がベストだと言えるでしょう。今日、B2Bのサービスでさえ、データを一番重視しているのです。カスタマージャーニーの大半はデジタルなので、B2Bマーケティング担当者は、ペルソナを作成してデジタルバイヤージャニーにコンテンツをマッピングする際に、非常に大きなメリットを得ることができます。また、マーケティングアナリティクス向けソフトウェアの爆発的な増加に伴い、マーケティング担当者はソーシャルメディアチャネルから貴重なデータ分析を行い、結果から得たインサイトから戦略的な決定を下すことができるようになりました。しかしながら、多くの機会を得て技術的にデータが入手できるにもかかわらず、マーケティング担当者は依然として顧客の正確なプロファイルを作成できていません。何かが彼らを引き留め続けているのです。

問題は、マーケティングコミュニティーの多くが、データ分析を上手く行っていないということです。マーケティング担当者がデータサイエンティストになろうとしてマーケティングの世界に飛び込むことはほとんどありません。彼らはキャンペーンを計画し、創造性に富み、ブランドに命を吹き込む手助けを期待していますし、マーケティングツールとテクノロジーによって、データの統合、クレンジング、マッチングのタスクを自動化したいと考えています。じつに、マーケティング担当者の27%がIT部門にデータ分析を委託しており、6%は依然として外部データ分析サービスにお金を支払っています。

 

顧客データのプロファイリングとウェブアナリティクスの増加に伴い、従来型のマーケティング担当者でさえも考えを変えようとしています。BlueVennのレポートによると、マーケティングコミュニティーが今後学習すべき最も重要なスキルだと考えているのは、データ分析です。このレポートによれば、マーケティング担当者の72%がデータ分析を重要視しており、ソーシャルメディア(65%)、ウェブ開発(31%)、デザイン(23%)、SEO(13%)を上回っています。マーケティング担当者は、データ分析のスキルがなければ、コンテンツマーケティングとソーシャルメディアの有効性が限られることを認識しているのです。2016年だけでも、「データスキル格差」に関する1,780件の記事が書かれており、マーケティング担当者の4分の1以上(27%)が、アナリティクス時代で成功するために必要なスキルをチームが所持していないと考えていました。

 

Screen Shot 2017-10-14 at 1.16.19 pm.png

 

これには主に2つの意味があります。

  1. マーケティング専門家は、データ分析機能を強化することで、競争上の優位性を得ることができます。コンテンツマーケティングプログラムの成功を保証して経営幹部レベルのサポートを獲得することから、顧客の成功を保証して失敗に終わったパイロットプログラムを打ち切ることまで、データスキルは大きな資産になるでしょう。
  2. 第二の意味は、ブランドと代理店に関することです。成功したキャンペーンを管理するためには、人的能力と技術的能力を備えた強力なデータ分析能力が必要です。競争がより洗練されるに従って、他社に引けを取らないためにもデータ分析能力が必要になるでしょう。

最初の点は、LinkedInのグローバルコンテンツマーケティングリーダーであるJason Miller氏が、ハイブリッドマーケティング担当者の台頭と定義しているものです。Miller氏は次のように書いています。「かつて、マーケティングで生き残って成功するには2つの方法がありました。ひとつは、ブランドマーケティング、コミュニケーション、イベント、メールなどの分野から選択し、特定分野の専門家になるためのスキルを身につけてスペシャリストマーケティング担当者になる道です。もうひとつは、全体的なマーケティングの状況とそれぞれの活動がビジネス計画にどう適合しているかを把握する、戦略特化型のゼネラルマーケティング担当者になる道です。マーケティングのキャリアパスは、通常、スペシャリストから戦略者への移行がほとんどでした。さらに役職が上がり、基本的なマーケティング原則への理解を実証すると、専門知識を持つ同僚や代理店に頼りながらも、特定の実施事項をすべて処理することができるようになります」。

「ハイブリッドマーケティング担当者」とは、コミュニケーションスキルとクリエイティブスキルを備え、目標を達成するために関連する新しい(新興)スキル(データ分析など)を学ぶことを役割の一部として捉えられる「新しいマーケティング担当者」です。彼らは、実行を他人に任せず、継続的に学ぶことを熱望しているマーケティング担当者でもあります。また、ひとつの専門分野に固執せず、関連性のある分野(SEO、データサイエンス、インバウンドマーケティング、デザイン)の実践的な知識を身につけることを目指しているのです。

この役割がどのように進化していくのか、時間とともに明確になってくるでしょう。私たちが確信しているのは、新しい分野の知識を開拓し、データ計画を構築し、グラフの解釈方法を学び、デザインの心理学を理解することが、コンテンツマーケティング手法に影響を与えるということです。また、企業のSEO戦略を所有することは、データを評価する文化の創出を促進します。データにもとづいて重要な意思決定を下すことで、より強力な業績をもたらす可能性を保証し、ビジネスのDNAにより深く浸透させることができるのです。

 

Giuseppe Caltabianoはコンテンツマーケティングとデジタルマーケティングに関する基調講演家および執筆家です。彼のブログ「国境を越えたコンテンツマーケティング」ではグローバルコンテンツマーケティングに関する記事をご覧いただけます。

 

元記事「Data Science and the Rise of “Hybrid Marketing”」は2017年10月19日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCredのGiuseppe Caltabianoが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

Related Articles
コンテンツマーケティングは、記事を公開する前でさえも危険にさらされる可能性があります。 これは、「長期的なコンテンツマーケティングの成功に最大の影響を与える会話は、編集会議ではな
マツダ株式会社が運営する「ZOOM-ZOOM BLOG」は、同社における以前のテレビCM のキャッチフレーズと同じく、自動車の走行音を表現した擬音語をタイトルにしてしまうほど、クルマ作りに情熱を注
現在のようにコンテンツマーケティングが注目される以前から、ユーザーが求める情報を意識したコンテンツ提供を、自前の紙媒体とWeb上で行ってきた富士通株式会社。同社は、アマナが日本でのエ
前編では、コンテンツマーケティングの取り組みを始めたきっかけから富士通株式会社のオウンドメディア「FUJITSU JOURNAL」のコンテンツ戦略までを語っていただきましたが、後編では鼎談形式でN
デジタルとデータ革命により、私たちは自分好みのコンテンツを欲しいものだけ消費できるようになりました。消費者は、コンテンツを受け取る時間と場所、コンテンツを消費するためのデバイスを自
子ども一人でも作れるKraftのマカロニ&チーズ、牛乳を七色に染めるLucky Charmのシリアル、口の中で溶けるM&M's…。子ども時代に連れ戻してくれる製品は世の中にそう多くはありません。しか