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AbbVieのJavier Boix氏が語る「製薬業界こそストーリーテリングが重要である」

消費者は、いつ、どこを見渡しても薬のコマーシャルや広告を目にすると感じています。どこにでもあるようなものだと思うかもしれませんが、世界中で知られている有名な薬には、科学の飛躍的進歩、革新的研究、患者の転帰(治療経過)の改善といった数多くのストーリーが隠されているのです。

2013年に設立されたバイオ医薬品会社のAbbVieもまさにそうした企業です。170カ国、2,800万人を超える人々がAbbVieの薬を使用しています。AbbVieは、関節リウマチやクローン病といった免疫介在性の症状を治療するために使われる薬、ヒュミラのメーカーとして知られています。

AbbVieは、コーポレートコミュニケーションや広告の枠を超えて会社のストーリーを広く伝えるために、コンテンツ戦略チームを結成することにしました。彼らが立ち上げたStoryLabの目標は、AbbVieの成長・価値・評判を推進するストーリーの土台となるような、関連性が高く魅力的で真正なコンテンツを制作することです。

私たちは、Abbvieのコーポレートコミュニケーション担当シニアディレクターとStoryLab責任者を務めるJavier Boix氏にインタビューを行い、ストーリーテリングの重要性をはじめ、コンテンツ戦略に関するインサイトについて尋ねました。

 

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Abbvieのコーポレートコミュニケーション担当シニアディレクター兼StoryLab責任者、Javier Boix

 

ーー StoryLabを立ち上げた経緯について教えてください。

StoryLabは2015年8月に立ち上がりました。いざ立ち上げてみると、私たちにできることがたくさんあると気付きました。コンテンツの開発は、コンテンツ開発チームにとって業務の中核ではありますが、それだけではありません。私たちは、非常に底堅い戦略を打ち立てています。

現在のチームは、誰も担当していない非常に重要な業務も行っています。メッセージ文書の策定、アナウンス、事業に関する最新情報の入手、社員ミーティングのセッティング、講演機会の創出など、当社のエグゼクティブリーダーたちのあらゆるニーズにも応えています。これらの業務は非常に要求が厳しく、時間がかかるものですが、これもコンテンツ開発の一貫です。

グローバルな大手バイオ医薬品企業でチームを結成することは、スタートアップで働くような体験でした。私たちはまず、ストーリーテリング主導で取り組むために組織の文化を進化させることから始めました。同時に、持続可能で一貫性のあるコンテンツを制作するために強固なプロセスを構築することに重点を置きました。そのため、初期の頃はある意味で、コンテンツが必ずしも最優先事項ではなかったのです。

 

ーー 御社にとってストーリーテリングとはどのようなものですか?

ストーリーテリングは活動の心臓部です。ストーリーテリングによって、私たちのチームや業務が唯一無二のものになり、真の意味で説得力のあるストーリーを語ることができる。ストーリーを見つけることはそれほど難しいことではありません。なぜなら、AbbVieは、現存する困難な病気に全力で対峙していますし、その取り組みの背後には美しく感動的なストーリーが存在するからです。

たとえば、4万5,000人のアイルランド人のゲノムを解析するためにアイルランドの企業と提携したとき、アイルランドのゲノム情報がバイオマーカーや新薬開発の手がかりになることを発見しました。科学分野のゲノミクスはソーシャルメディアでも注目の話題であり、さらに聖パトリックの祝日が近づいていたため、私たちはアイルランド人にとってもっとも文化的・社会的に重要な祭日に合わせて準備しました。このストーリーは結果的に大成功を収め、プログラムに参加したいという読者からの肯定的な反応をたくさんいただきました。

 

 

ーー コンテンツを通して達成したいことは何ですか?

最終目標は、当社の評判や評価を高めて、主要なステークホルダーを当社の成長・価値・評判を推進するストーリーにエンゲージさせることです。

私たちがいつも自分たちに問いかけているのは、どうすればブランドに肯定的な意見・エンゲージメント・感情を向けることができるのかということです。

ただ、一つ明らかなことは、AbbVieをストーリーの英雄として位置付けたくないということです。それは他人が決めることですし、自分たちが素晴らしい企業だと自画自賛したくはありません。私たちが望むことは、価値を付与することで会話に参加することです。

 

ーー 御社のターゲットオーディエンスはどのような人たちですか?

ストーリーによります。私たちは現在、医療・医学系メディアやインフルエンサー、科学コミュニティ、患者支援者など、オーディエンスのより正確なセグメント化に取り組んでいます。

ストーリー開発プロセスにおける最初のステップは「調査」です。コンテンツ制作者は調査やインサイトに命を吹き込み、説得力のあるストーリーにまとめ、チームに共有します。その後、議論を行い、ペルソナの観点からオーディエンスを決めます。このストーリーを読み、シェアしてくれるのはどのような人だろう? そうやって人物を頭の中に浮かべることで、コンテンツ制作者はストーリーを形作り、ストーリー開発のプロセスを推進することができるのです。

 

ーー コンテンツのアイデアはどこから来ているのですか?

各コンテンツ制作者は、企業の特定分野(受け持ち分野)をカバーし、対応するコーポレートコミュニケーションディレクターと直接協力しています。当社には大規模な研究開発(R&D)グループがあり、研究開発コミュニケーションディレクターと協力しているチームメンバーもいるため、業務内容に命を吹き込んでストーリーを作り上げることができるのです。

私たちは組織全体にわたる数々のコネクションを持っているので、日頃から新しいストーリーへのインサイトやアイデアが絶え間なく流れてきます。そこからアイデアを吟味し、それが会社の戦略的優先事項やイノベーションの柱と一致するようかを確認します。同時に、ソーシャルメディアの会話やすべてのトレンドトピックを調査し、ストーリーの関連性が高いかどうかも見極めます。

ストーリーの開発や拡散方法については、重要なマイルストーンに重点を置くことで関連性を高く保っています。医学学会や規制に関するアナウンスは、通常、対外的な注目を集めるイベントです。

 

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ーー 御社の配信戦略について教えてください。

私たちは、有料やオーガニックを問わず、ソーシャルメディア(TwitterFacebookLinkedInYouTube)を活用していますし、従来型のメディアにも働きかけています。科学やバイオ医薬品におけるソーシャルメディアインフルエンサーの大半はメディアだからです。優先度に応じて、各ストーリーの配信を計画しつつ、ストーリーの影響力を倍増させてくれる有料プロモーションも活用しています。しかし、すべては優れたコンテンツを制作するための強固な基盤を構築することから始まるのです。

もうすぐStoryLabも2周年を迎えます。私たちはストーリーの品質に大きな自信を持っているため、弊社が活動している場所に人々を誘導するのではなく、人々が集まる場所にコンテンツを届けたいと思っています。そのため、配信やオーディエンス育成戦略について考える時間を増やしています。

 

ーー どのように成功を測定していますか?

成功を測定するのは難しいことですが、この活動が実を結んでいることを実証する方法があります。

最初に追跡したのは、シェア数、いいね数、ページの滞在時間、ユニークビジター数、ページビューなど、もっとも基本的な評価基準です。現在はアプローチを広げているため、ユーザーの行動にもとづいた評価基準も追跡しています。最終的に目指しているのは、弊社に対するオーディエンスの意見が、コンテンツにエンゲージする前よりも肯定的になったかどうかをオーディエンス全体で測定することです。

私たちは、業績を測定するためだけではなく、継続的に成果を向上させるためにデータを使用したいと考えています。チームが成熟し、優れたコンテンツを配信するにつれて、測定は最優先事項になるでしょう。

 

Dawn PapandreaはNewsCred寄稿者です。

 

元記事「Why Storytelling Matters in Pharma Content Strategy: Q+A: Javier Boix of AbbVie’s StoryLab

は2017年5月2日にInsights.newscred.comに掲載されました。

 

この記事はNewsCred BlogのDawn Papandreaが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。

 

また、日本におけるNewsCredパブリッシャーネットワークに関してはNewsCred by amanaまでお問い合わせください。

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